スポティファイの批判と音楽業界の関係
スポティファイは、音楽ストリーミング分野で最も有名で利用者数が多いプラットフォームの一つです。
しかし、その成功にもかかわらず、スポティファイは一部のアーティスト、制作会社、そして一部の音楽愛好者から不満や批判を浴びてきました。
なぜそんなことになったのか3分で読めるようにサクッとまとめました。
それでは解説をはじめます。
1. ロイヤリティ分配の不公平さ
音楽業界の一大争点は、スポティファイによるアーティストへのロイヤリティ分配の仕組みです。
スポティファイはアーティストが音楽を提供するプラットフォームであり、ユーザーが音楽を楽しむ一方で、アーティストと制作会社に支払われるロイヤリティは一曲あたりごくわずかです。
一部のアーティストは、自分の音楽を提供する代わりに、スポティファイから得る収益がわずかであることに不満を抱いています。
ロイヤリティの分配の割合は「再生回数」によるものです。
Spofityのこの分配方法は、ヘビーローテーションされることの多いメジャーなポップスターが得をするシステムです。
この低いロイヤリティは、新米アーティストが音楽を制作し、生計を立てるのには困難と言われています。
2. テイラー・スウィフトの反発
テイラー・スウィフト(Taylor Swift)は、スポティファイのロイヤリティ分配に対する不満を公然と表明したアーティストの一人で、その行動がスポティファイに対する批判の火を高めました。
彼女は、「音楽は無料であるべきではないというのが私の意見。そして将来は、アーティストとレーベルが、アルバムの価格を決めるようになると私は思います」として、一時的に自身の音楽をスポティファイから撤退させました。
「Spotifyは壮大な実験で、アーティストの努力を公正にまかなえない」と批判コメントも発表しました。
3. 新しいヘイトコンテンツ・ポリシーに批判
スポティファイは、一時期、プラットフォーム上でヘイトスピーチや差別的な言動を行ったアーティストに対するポリシーを発表しました。
このポリシーは、該当アーティストの音楽を公式プレイリストから削除し、プロモーションを停止するものでした。
しかし、このポリシーには明確な基準が不足しており、音楽コミュニティからは賛否両論の意見が出ました。
トロイ・カーターは、このポリシーに反対し、スポティファイが取り下げる前に不満を表明したと言われています。
このポリシーの発表は、スポティファイの信頼性にさらなる悪影響を与えました。
4. アーティストとの信頼回復の試み
スポティファイはこれらの問題に対処し、アーティストとの信頼回復を図るために努力しました。その中心的な取り組みの一つは、トロイ・カーターの雇用です。
ロイヤリティの支払い問題に折り合いをつけることを狙っての雇用でした。
彼は「クリエイターサービス・チーム」の責任者として、アーティストとの関係改善に取り組み、音楽制作者のニーズに応えるアプローを推進しました。
しかし、トロイ・カーターはスポティファイを前述ヘイトコンテンツ・ポリシーの問題で去ってしまったので、おそらくこの取り組みは実現しないでしょう。
まとめ
スポティファイは近年とても拡大・成長しているプラットフォームです。なんと、月間アクティブユーザーは3億人です。
しかし、成長の裏では“影”もあるということも覚えていてください。
何年か前に起こった、マイケルジャクソンとソニーミュージックとの不和のように、アーティストとレーベルやプラットフォームはどうしても後者の方が有利な関係ですからこういったことが起こるのかもしれません。