始めに
メガアップロード(Megaupload)は、かつて存在したファイル共有およびオンラインストレージサービスで、2005年にキム・ドットコム(Kim Dotcom)によって設立されました。
しかし、このサービスは2012年にアメリカ合衆国の法執行機関によって閉鎖され、その後は違法な利用が明るみに出ました。
メガアップロードの歴史について、5分でサクッと読めるように解説を書きました。
メガアップロードの台頭
2000年代初頭、インターネット上でファイル共有が急速に広がり、多くのユーザーが音楽、映画、ソフトウェアなどのコンテンツを無断で共有するようになりました。
メガアップロードは、この流れに乗じて、大容量のファイルを簡単にアップロードし、他のユーザーと共有できるプラットフォームとして急速に人気を集めました。
写真:AP/アフロ
違法なコンテンツの拡散
メガアップロードは、多くのユーザーによって違法な映画、音楽アルバム、ソフトウェア、電子書籍などがアップロードされ、他のユーザーによってダウンロードされることで、著作権侵害の温床となりました。
これにより、著作権所有者や制作会社は大きな損害を被り、法的措置を求める動きが高まりました。
これまでの、Megauploadの著作権侵害による被害総額は5億ドル(約385億円)に上ります。
それに加え、Megauploadは有料会員から1億5000万ドル(約116億円)、広告などで2500万ドル(約19億円)、あわせて1億7500万ドル(約135億円)以上の利益を上げていたとのこと。とてつもない金額です。
FBIの介入
2012年1月、アメリカ合衆国の連邦捜査局(FBI)は、メガアップロードの創設者であるキム・ドットコム(Kim Dotcom)らサイトの運営陣を逮捕し、サイトを閉鎖しました。
アメリカ司法省と連邦捜査局(FBI)の捜査が入り、運営者7人が起訴されました。
FBIは、メガアップロードが著作権侵害を容認し、利益を上げていたと主張し、これを取り締まるために法的手続きを進めました。
法廷闘争の開始
米国バージニア州アレキサンドリアの大陪審は、「ラケティアリング活動の共謀」「著作権侵害の共謀」「マネーローンダリングの共謀」「著作物を商業的配布ネットワークに配布した刑事的著作権侵害及びその教唆・幇助」「電子的手段による刑事的著作権侵害及び
その教唆・幇助」の5つの訴因から陪審起訴(indictment)を行う決定をしました。
メガアップロードの運営陣は、アメリカ合衆国政府との法廷闘争に突入しました。彼らは、アメリカの著作権法に基づく訴訟に対抗し、自身の無実を主張しました。
この闘争は長期にわたり、著作権侵害の定義や責任の所在についての法的議論が展開されました。
サービスの復活試み
一方、メガアップロードのサービスは一時閉鎖されましたが、キム・ドットコムは新しいファイル共有サイト「Mega」を立ち上げ、これを合法的なクラウドストレージサービスとして位置づけました。
しかし、FBIとの法的闘争は続き、運営者である、キム・ドットコムはニュージーランドで逮捕されました。
出典 ©RobertNZ Licensed under CC BY 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
訴訟の結末
長い法廷闘争の末、メガアップロードの運営陣とFBIは和解に合意し、訴訟は終結しました。メガアップロードは完全に閉鎖され、キム・ドットコムは一部の罪状で有罪判決を受けました。
この事件は、違法なオンラインコンテンツの取り締まりと著作権侵害に関する法的先例を提供し、オンライン犯罪取り締まりに影響を与えました。
メガアップロードで行われていたこと
1. 著作権侵害
メガアップロードは、ユーザーがファイルをアップロードし、他のユーザーと共有できるプラットフォームを提供していました。
しかし、多くの場合、これらのアップロードされたファイルは著作権法に違反しているものでした。
映画、音楽、ソフトウェア、書籍など、多くの著作物が無断でアップロードされ、違法に共有されていました。これにより、著作権者の権利が侵害され続けてきました。
2. 著作物の盗用
一部のユーザーは、メガアップロードを利用して、他のユーザーから盗用された著作物をダウンロードしました。
これにより、オリジナルの著作者や制作者に対する正当な報酬が支払われず、創造的な産業に悪影響を及ぼしましたとされています。
著作権侵害と同様に、著作物の盗用も法的な問題となりました。
3. 違法なプロモーション
一部のユーザーは、メガアップロードを違法なコンテンツのプロモーションに利用しました。
違法なウェブサイトやコンテンツを広めるために、メガアップロードのリンクを使用し、不正な活動を促進しました。これにより、違法なビジネスモデルが成長し、インターネット上での違法な活動が広まりました。
4. セキュリティの問題
メガアップロードは、ユーザーがファイルをアップロードし、共有するためのプラットフォームであり、そのセキュリティが弱点となりました。
ユーザーが違法なコンテンツをアップロードすることに加えて、プラットフォーム自体もハッキングやデータ漏洩のリスクにさらされました。
ユーザーの個人情報や他の機密情報が危険にさらされる可能性が高かったのです。
まとめ
メガアップロードは元々は合法的なファイル共有サービスとして始まりましたが、違法な利用が蔓延し、著作権侵害や他の違法活動の温床となりました。
その結果、法的な措置が取られ、サービスは閉鎖されました。
しかし、依然として著作権関係の被害件数が横ばいのままであり、メガアップロードの件は解決されたものの、まだまだ改善するべきところが残っています。
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